厚生労働省から「くすり」として認めてもらうために行われる臨床試験を「治験」といいます。人に対しての有効性(効果)や安全性(副作用)などを確認するために実施されます。
動物実験で効果や安全性が確認できたとしても、実際に使用する私たちと動物では体の仕組みがやや異なるため、思わぬ副作用が現れることもあります。こうしたことから、人に対する安全性や有効性、さらに適切な用量を確認することが必要であり、「くすり」の開発になくてはならない過程なのです。
臨床試験は4つの段階に分かれ、承認までの3段階は治験、承認後の段階は第Ⅳ相臨床試験と呼ばれており、慎重に進められます。
行う期間は、開発の分野によって様々ですが、これらの試験には平均で3-7年ほどの長い歳月がかかります。効果と安全性が確認され、患者さんの健康に貢献できると判断された場合は、これらの結果をもとに厚生労働省に承認申請されます。また、人の生命や健康に関することなので、承認のための審査は非常に厳しく、場合によっては承認されない場合もあります。
薬事承認を取得した後にも、実診療での使用における情報を収集する目的で調査が行われます。製造販売後に製薬企業が実施する調査を、治験に引き続いて行われる調査であるという趣旨により、第Ⅳ相試験と呼ぶこともあります。
動物実験で効果や安全性が確認できたとしても、実際に使用する私たちと動物では体の仕組みがやや異なるため、思わぬ副作用が現れることもあります。こうしたことから、人に対する安全性や有効性、さらに適切な用量を確認することが必要であり、「くすり」の開発になくてはならない過程なのです。
臨床試験は4つの段階に分かれ、承認までの3段階は治験、承認後の段階は第Ⅳ相臨床試験と呼ばれており、慎重に進められます。
第Ⅰ相
おもに健常人を対象に、安全性や吸収・排泄などについて調べます。第Ⅱ相
少数の患者さんを対象に、有効性と安全性、また効果的な用法・用量などを調べます。第Ⅲ相
多数の患者さんを対象に、これまでに得られた結果をもとにみられた有効性や安全性が多くの人にも当てはまるかどうかを確認します。薬事承認を取得した後にも、実診療での使用における情報を収集する目的で調査が行われます。製造販売後に製薬企業が実施する調査を、治験に引き続いて行われる調査であるという趣旨により、第Ⅳ相試験と呼ぶこともあります。
治験には試験的な側面があるため、治験の内容を十分に理解し納得していただいた人にお願いしております。誰でも参加できるわけではありません。治験に参加するために、どんなことが必要なのかを説明します。
事前説明
治験の目的や治験薬、治験の実施方法、検査の内容や来院スケジュールなどが記載された同意説明文書をもとに、医師が参加を希望される方に説明を行います。疑問があれば質問し、納得できるまで説明を受けることができます。また、説明を受けたその場で決めなくても構いません。家族や友人と相談して参加するかどうかをじっくり決めてください。同意(インフォームド・コンセント)
インフォームド・コンセントとは、治療を受ける前に「自分の病気のことやその治療方針について医師等から十分説明を受け、患者さんが説明の内容をよく理解し納得した上で、患者さん自身の意思で治療を受けることに同意する」という意味です。一般の治療でも行われていますが、治験には試験的な側面があるため、参加される方の人権を尊重し安全性を守る、という点からも欠かすことのできない手続きとなっています。参加条件の確認(診察・検査)
治験の参加に同意した人は、参加条件をすべて満たしているかどうかを確認するための検査や診察を行います。参加条件は治験によって異なります。治験の対象とされる病気の程度や治療歴、他の病気をしていないことなどを検査や診察によって確認します。参加条件をすべて満たす人のみが、治験薬の使用を開始することになります。 すべてのくすりには副作用があります。副作用の原因は、くすりの性質によるもの、くすりの使い方によるもの、くすりを使う人の体質によるもの、くすりを使うときの体調によるものなど、さまざまです。また、複数のくすりを使用した場合やくすりを使用するときに食べたものや飲んだものなどによって、予想外の作用が現れたりします。
治験薬を使用の際は、どのような症状でも「いつもと違う」と感じたときは、速やかに報告してください。
副作用は、早期に発見して処置や治療を行うことで最小限にすることができます。治験中は、より詳細に診察や検査を行うことで、副作用を早期に発見できるように注意が払われています。
治験薬を使用の際は、どのような症状でも「いつもと違う」と感じたときは、速やかに報告してください。
副作用は、早期に発見して処置や治療を行うことで最小限にすることができます。治験中は、より詳細に診察や検査を行うことで、副作用を早期に発見できるように注意が払われています。
他の病院からもらったくすりや市販のくすりを服用する際には、必ず事前に担当医師に相談してください。他のくすりと治験薬を一緒に使うことで、思わぬ副作用が出る場合があります。
治験に参加したことによる健康被害が生じた場合は、それに対する適切な処置や治療を受けることができます。また、参加する治験によっては治療にかかった医療費や医療手当が支払われることがあります。ただし、補償の内容は治験によって異なりますので、担当医師や担当CRCにお問い合わせください。
治験に参加した場合、「治験参加カード」が渡されます。他の病院や診療科を受診する場合は、治験参加カードを必ず提示して、治験に参加していることをお伝えください。